久々の休み。
久々の映画館。
久々の外国映画。
『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』を
観てきました。(なんて野暮ったい邦題だ!)
現在確認されている人類史上最も古い絵画、
南仏のショーヴェ洞窟壁画を3Dカメラで撮影した
ドキュメンタリー映画です。
初の3D映画体験であります。
前から、3D映画は目が疲れるだろうと思って
避けていました。(実際、疲れて、何度かメガネ外した)
そもそもここ十数年のハリウッドのスペクタクル映画は
2Dでも疲れる。無駄に長いし。
ですが、この企画は素敵だ!
3Dも、こういう風に使うなら、納得できる。
以前から、有史以前の美術にたいへん関心があり、
特に洞窟壁画は、生きてる間になんとか生で見たいと
思っていました。
映画によると、ショーヴェ洞窟は一般に公開されていなそうです。
ラスコーも最近は閉鎖されたとのこと。
となると、この作品、ますます貴重になってきます。
映画が進むにつれ、今回、3Dで撮影した意義も
明確に分かってきます。
正直、3Dの限界もわかりました。
ナチュラルな風景にはまったく効果がありません。
洞窟の外部周辺は、かなりの絶景なんですが、
遠景では3D効果がほとんど感じられません。
また、人物が手前に立つと、背景との距離感が
不自然で、非常に違和感があります。
せっかくの美景、2Dで観たかった!
ただ、人工的な空間を、珍奇な見世物として表現するには
適しているとは思いました(『ヒューゴの不思議な発明』は、観たいです)
なのに、どうして3Dで撮影したのか?
学者たちの解説シーンに違和感を感じつつも、
メインである洞窟壁画の映像には、息を呑みます。
ここは3Dであることに全く違和感が無い。
先に遠景には向いていないと書きましたが、
接写で、対象物がデコボコしていると、いい効果が出るのです。
洞窟壁画です。
岩肌がデコボコしています。
鍾乳石ななんともいえぬ形で上から下から突き出しています。
自然が作り出した立体芸術。
そして、そこに描かれた活き活きとした動物たちの絵。
どうも、壁面の凹凸を利用して立体感を表現しているらしい・・・・・
太古の人間が、どのような気持ちで描いていたのか。
それを探る旅です。
オーストラリアのアボリジニーの言葉を引用してからの
クライマックスは、怒濤の展開です。
表現することの本質は、これだ!
ガーン!
ガーン!!
ガーン!!!
他の場面を殺してでも、壁画を3Dで撮ることに決意した
ヘルツォーク監督の才能と勇気に敬意と感謝を捧げます。
よっ!巨匠!!あんたは凄い!!
太古の天才と現代の天才のコラボーレション。
ラストの撮影後記が、またまた衝撃的。
90分ほどのさほど長くない映画ですが、
様々な問題提起を重く投げかけてくる作品です。
今の、日本人にとっても切実な問題が・・・・・・
表現者はもちろんのこと
今の世の中の在り方に少しでも疑問を抱いている人なら
必ずなにかが残るはず。
しかし、期間限定の上映で、もうすぐ終わっちゃうんだよな~
是非、この機会を逃す無かれ。
公式サイトhttp://www.hekiga3d.com/index.php
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