最近、映画を観にいってないな~と
ネットで上映情報をチラチラ見ていたら、
あることに気がついた。
ぱっと見て、心をつかんでくれる
タイトルが少ない!
実際には面白い映画もたくさんあるんだろうが、
タイトルがぼんやりしたものばっかりで、
期待感が沸いてこない。
昔からよく言われてることだが、
英題そのまんまというのも味気ない。
端的に作品内容を表していて
なおかつ扇情的なタイトル、つけてくんなきゃ。
で、こんなのだったら、観る気が起きるのにと
去年のヒット作のタイトルを勝手に妄想してみた。
『おとうと』以外は観ていません。
アバター・・・合成人間アバター 惑星大作戦
仮ぐらしのアリエッティ・・・小人アドベンチャー 人類への挑戦
インセプション・・・永劫悪夢 逆転!逆転!!また逆転!!!
ハナミズキ・・・若いうちが花なのよ枯れたらそれまでよ党宣言
アリス・イン・ワンダーランド・・・その後の不思議の国のアリス 幻魔死闘編
告白・・・キラー・ティーチャー 学園地獄
ナイト&デイ・・・俺が男だ! トム・クルーズのトキメキ大冒険
ソルト・・・激殺!女スパイ 肉体兵器
シャッター・アイランド・・・獄門島アメリカン
おとうと・・・本当の男はつらいよ(身内もつらい)
映画会社の人たち、もっと工夫しくてださいよ!
ちなみに、
私が好きな実際にあるタイトルBEST10
荒野のダッチワイフ
格好いいんだか悪いんだか・・・
超不条理ハードボイルド映画です。
処女ゲバゲバ
意味不明だが、なんだかすごそー。
大島渚による命名。
内容とは、あまり関係ない。
神狩り
え?神を狩るってどういうこと!?
傑作SF小説です。
日本沈没
この巨大な悲壮感!
この小松左京の傑作で泣けない人は
この国から去ったほうが良い。
リメイク版(スマップの人が出てるやつ)は
沈没しないクズ映画なので泣けないが・・・・・・
ロボコップ
シンプル・イズ・ベスト!
ロボと刑事(デカ)、どちらも男子の大好物。
大日本帝国
大東亜戦争映画。色々な意味で凄いタイトル。
日本のいちばん長い日
え?どんな日?と気になる。
昭和20年8月15日のクーデター未遂事件を
描いた傑作映画。
箱男
安部公房文学の最高傑作。
超シンプルかつ超シュールな題。
中学の時、タイトルだけで即購入し、
内容にもぶっ飛んだ。
丹波哲郎の大霊界2 死んだらおどいた!!
パート1の副題は「死んだらどうなる」です。
わんわん忠臣蔵
日本人が大好きな「犬」+「忠臣蔵」。
漫画映画のタイトルは、こうでなくっちゃ。
『どうぶつ宝島』とかね。
シャブ極道
最凶の組み合わせで強烈!
役所広司が「覚醒剤で世直し」を目指すヤクザを
嬉々(奇々)と演じるとても楽しい映画だったりする。
ゲゲゲの鬼太郎
国民的作品になったので、普通になってるが、
よくよく考えたら、すごくヘンなタイトルだよ。
こんなのを「当たり前」にしてしまうのが
水木御大の超天才ぶり。
御大の幼少期のあだ名「ゲゲ」が由来。
「アイドルとしての映画監督」第三弾です。
驚愕の大林ワールドへレッツゴー!
『ねらわれた学園』『時をかける少女』
『ふたり』などなど
アイドル映画の名手として知られる大林宣彦。
しかし、御本人そのものが
アイドル的才能あふれる人なのである!
実は、この人の映画、
あまり得意ではなかった。
どうも特異な世界観に抵抗感があって・・・・・
あの人工的な空間と人工的な少女への
粘着質的な視線に、気持ち悪くなってしまうからだ。
小学生の時、テレビで見た
劇場処女作『HOUSE』は、不快さ強烈で
二度と見返したくない映画の一本である。
そんな大林映画が苦手な私が、
いかにして大林宣彦ファンになったか?
数年前、『ねらわれた学園』をDVDで鑑賞。
目当ては、作品そのものではなく
特典のオーディオ・コメンタリー(以下、OCと略)であった。
雑誌のレビューで凄いらしいという記事を
読んだからである。
OCはスタッフ、キャスト+インタビュアーと
の二人以上の複数で行われる場合がほとんど
である。
映画を観ながら、間を空けずに
会話を続けるということはかなり困難な作業の
ようで、数人いても、つい映像を見入ってしまい、
話がとぎれることが、よくある。
そんな状況で、話をおもしろく展開させるのは
難しいことは容易に想像がつくだろう。
それを『ねらわれた学園』のOCでは
監督の大林宣彦が、たった一人で行ったのである。
驚愕の90分間。
低い穏やかな声で繰り広げられる「大林語り」。
映画への愛、愛、愛。
思い出をしみじみと・・・・・・
実にしみじみと、独特の間合いで
淀みなく語り続ける。
思い出への浸り具合が半端じゃない!
そして、語りの流暢さの度が過ぎている。
ただ単に、一人の人間から、
思い出話を聞かされている印象とはほど遠い。
喩えるならば、
熟練の俳優による朗読を聞いた
ような感触に近い。
だが、
おそらく台本を用意したわけではないと思う。
テレビやラジオ出演の際にも、同じテンションで、
「大林語り」を繰り広げていた。
その完成度の高い「語り」を
素でやっているところが尋常じゃない。
タレント的にメディアに露出する映画監督という
のは何人かいらっしゃる。
当然ながら、皆、個性的ではある。
だが、それらの個性は、いくら強くとも
「まっとう感」があるのだ。
それは、他人の目にさらされていることへの、
または自己を主張することへの
照れや羞恥など人間としては、
ごく当たり前の感情が見え隠れする
からだろうと思う。
「大林語り」には、そうしたある種の人間くささが、
ほとんど感じられない。
言ってることは、そう過激ではない。
己が愛しているモノへの愛を蕩々と述べている
だけだ。
でも、よく考えてみてほしい。
自分の「愛」を、人前でまったく照れずに語れるなんて
かなり変じゃないか?
その常軌を逸したカンジが、
『ねらわれた学園』のOCに出まくっており
私は、戦慄を覚えた。
戦慄と驚愕は「語り」だけに留まらない。
ある大林映画ファンから聞いた話。
石田ひかり主演の『ふたり』という作品。
劇中、久石譲作曲の主題歌が、
脇役の女優によって歌われる。
「エンディングでは、きっと、
石田ひかりバージョンが流れるんだろう」
と思ったそうだ。
だが、本編が終わり、
エンドクレジットと共に流れてきたのは
低い声の男性ボーカル。
なんと、大林宣彦自身の歌唱なのだ!
あまりの出来事に、その大林映画ファンは
腰を抜かしたそうだ。
話を聞いただけの、私でさえも、
そうとうショックを受けた。
古今東西、主題歌を
歌った映画監督なんて
私が知る限り、他にいない。
いったい、どおいうつもりで、
そのような行為に及んだのか?
本人に問いただしたいぐらいだ。
もしや、私が知らないだけで
「アイドルとしての大林宣彦」のニーズが
結構、あるということなのだろうか?
まだ、私は、
「アイドル・大林宣彦」ファンとしては
ビギナーである。
それでも、彼が
「映画監督アイドル」として王者であることは
前述のようなわずかだが衝撃的体験により
確信している。
そして、これ以上、大林ワールドを追いかけることに
躊躇している。
なんだか、深みに入ったら帰ってこれなくなるような
底知れぬ恐ろしささえ感じるからだ。
ホラー映画には、よくアイドルが主演として起用される。
アイドルとホラーとは相性が良いのであろう。
大林宣彦は、ホラー的作品を多く手がけているが、
彼自身の存在が、ホラーだ。